Re. HARMONICA SHAH
#If You Live To Get Old,You Will Understand 2015

少なくとも理解できるのは決して「このライブの為に日々怠る事なく練習してきましたっ!ハイ!」といった類いのハーモニカではない。

話しかけるように歌い、”ソロパート” ではなく語り部のようにハーモニカを吹く。

2000年に54歳ぐらいでソロアルバムデビュー以来、10作ほどのアルバム単位の作品がありますが、そのどれもが驚異的に、ほぼ同じ “音” がします。一貫してダラダラと言っては失礼だが類似曲が羅列されていて、他人ながら「もう数えで76だぜ、もうすぐ死ぬんだぜ、それでいいのか?」と心の中でこの語り部に対して逆に問いかけながら、私自身、自己にも同じ疑いを日々かけ続けています。

どれを聞いても同じだからタイトル自体が私の “問いかけ” に応えてくれているような、、気がするこの作品を愛聴しています。

大人になれば分かる”

続く

WALLACE COLEMAN
#Self Titled 2000

一聴したぐらいでは魅力がさほど伝わらなかった楽曲でもハーモニカの音色、TONEさえ自分好みで気持ち良ければ徐々に好きになっていく事がある。するとその後はずっと愛聴し続ける。がその逆はない。

これは楽曲を人の容姿、音色をハート、性格に置きかえればそのまま人間関係にも当てはめる事ができるのではないか?

エキサイトするような曲は一つもない。しかし何よりハーモニカトーンが深く静かに響く。ずっと愛聴できる。これもLIFEに置きかえる。

若さでは気づけない。気づいてもいけない。

続く

THE YARDBIRDS
#Five Live Yardbirds 1964

「マクドナルドというハンバーガー屋さんが出来たらしいから行ってみよう!」子供の頃友達と行ったこの町にとっての一号店、初めて開店したマック。

「せっかくだからこの大きなビッグマックというのを食べてみよう」

そしてあまりの大きさに「これはどういうやり方で口の中に入れて食べるのだろう?」と友達と考えました。

二人が出した答えは「きっと一枚づつ剥がして食べるに違いない」です。

そうやってバラバラに分解しながら食べたビッグマックは以後も忘れ難い美味しさでした。

分解せずにそのまま口の中に入れる事が出来る大人になった今もマックは、というよりハンバーガーはビッグマックに限ると思っています。

昔からキース・レルフの力量をとやかく云う人がいるがそれは間違っている。歌もハーモニカも上等、屈指のロックンローラーだ。

何度も手に入れては何度も手放した。今となってはもう忘れる音ではない。

炸裂するチンピラリズム&ブルース!

ヤードバーズはこれに限る

続く

TAIL DRAGGER
#My Head Is Bald: Live At Vern’s Friendly Lounge, Chicago 2005

テイル・ドラッカーの小規模なラウンジライブ盤。(ほぼ同内容のDVDもあり。個人的にはこちら推薦)

シカゴブルースの輪の中では意外と人口が少ない気がする裸ボーカルです。

全ての作品を聴いたわけではないが、そのほとんどにハーモニカ吹きが随伴していると思います。本作はBILLY BRANCH。

その他の作品には、☆MARTIN LANG ☆BOB CORRITORE ☆LITTLE MACK SIMMONS 等の名があります。

そういう点ではそのステージネームの由来となったハウリン・ウルフよりもマディに近い存在に感じます。

ハーモニカ吹きが箸を伸ばしたくなるような、あるいはハーモニカがいるべき曲多し

続く

MARTIN LANG
#Chicago Harp Blues Sessions 2015

小学生はなるべくなら校区外で遊びたくない。

ハーモニカはなるべくなら6番より右に行きたくない。

マーティンのハーモニカは冒険心の必要がない校区内だ。安心して遊べる。

続く

GOOD ROCKIN’ CHARLES #Self Titled 1976

「常に淡々としていろ、、」子供の頃、父親によく言われた言葉だ。その頃の父親の年齢を遥かに越えた現在でも頭から遠くにまで離れた事はない。しかし特別深く胸に刻んでいるわけでもないし教訓にもしていない。

ただ何となく、かくありたい。とは思う。

グッド・ロッキン・チャールズの良盤。そこら辺に転がっているような有名曲達の上に、何の仕掛けもデコレーションもないハーモニカを淡々とした作業でのせていきます。

言葉や何かしらで飾らない方がいい。ナントカの天然水みたいに。天然でない水はない。水道水だって天然だ。

本当に喉が渇いているときは、味とかアルコールとかが混ざっていないタダの水が一番おいしい。

淡水ブルース

続く

BOB CORRITORE
#Taboo 2014

ブルースミュージック、カントリーミュージックは言うに及ばず古のハードロック、パンクロック、ピュアロカなどのオールドスクールに走れば大方付いて回るのは演奏者、聴衆のコスプレ感でしょう。

特に演奏者側の外観に(本意不本意に関わらず)コスプレ感が出ている場合は、それに対してのバランス感覚とサジ加減が大切だと思います。

そしてもう一つ要注意なのは音のコスプレ化です。

この音のコスプレ化自体には問題は無いし答えも無い。しかし別れ道ではある。

それらしくと色々と色をつけて見せるが、みんな一緒に混ぜ合わせれば詰まるところ灰色の埃になる。

どうせ埃になるならどこか心の隅っこ側、掃除をしたくても手が届かない。常時うすく積もっているような埃になりたい気がする昨今。

proud

ジャケは若干わざとらしいが音のコスプレ感は良い。全曲インストルメンタル

続く

MOJO BUFORD
#Still Blowin’ Strong 1996

未開のジャングルを大鉈を振りまわして切り拓いていくようなハーモニカが聞ける。

メンドくさいヤツなんか、吹き飛ばしちまいなよー ベイベェー♪

オレはまだまだイケるぜ。

タイトルに偽りなし。

続く

CAREY and LURRIE BELL #Gettin’ Up Live at Buddy Guy’s Legends, Rosa’s, and Lurrie’s Home 2007

とてもテクニカルなキャリーなので、時に過多にも感じる細かくハネるタンギング。追う気をを失くさせるような滑らかなスピード圧倒的オリジナリティ。など自分には少し苦手な部分もあった。

しかし。

キャリーの遺作となるこのアルバム。病気で1か月入院して退院後すぐに行われたというレコーディングライブ。座って演っているぐらいだから体調もベストではなかったのだろう。でもそれが個人的には吉となった。苦手だったノリノリのハリキリ感がかなり薄れているのだ。ちょうどいい加減の塩梅。

このアルバムを機にして数年、机まわりがキャリー・ベルの写真ばかりになるほどハマった。

が、亡くなった。あともう少し作品を残して欲しかった、、

、、マリンバンドハーモニカのケースの裏に書かれたキャリーのサインを友人からのアメリカ土産でもらった事がある。友人が本人に直接頼んで書いてもらったらしい。

これは間接的にキャリーにつながった良い思い出になっている。

続く