「知名度、技術力、品質性能、容姿とかデザイン性、美味さ不味さ、その他あるゆる面でA級はB,C級よりも優れている。何故ならA級だから」
なので「国民はA級だけを選択し、それを好きになって日々愛用、愛読、愛聴したり、寝る間を惜しんでそればかり偏食したり、鏡の前でその人のモノマネをするなりして全面的に支持しなければならない義務がある」
『A級限定永年支持法』
なんて法律はどの国にも無いはずなので、有名無名、高価安価、品質性能の高低、容姿の美醜、技術の上手下手とかに関係なく、世間ではB,C級とされる(モノ)あるいは(人達)にも必ずそれぞれに愛好家とかファンとかマニアとかと呼ばれる人達が存在、付属します。
タデ食う虫も好き好き
「スピードが何百キロ出ようが、そんな事はどうでもいい。車といえばサビついたHot Rodに限るぜ」とか
「三ツ星レストランの味なんか知らないけど、卵かけご飯の方が美味しいに決まってるわ」とか
「本場のヤンキー達が作ったフェンダー、ギブソンも良いけど、僕はトーカイかグレコが好きだな」とか
「君のアルコール依存症はもはや治る見込みが無い。さぁ冥土の土産に最高級のシャンパンを飲ませてあげよう」「イャ〜 御断りしますよ。ドンペリなんか一滴も飲みたくないです。焼酎をロックで下さい」
とか何とかいった会話が今日も巷間では交わされている事でしょう。
ここで本作品。
ジェリー “ブギー” マッケイン。この人のハーモニカは良い。ファンです。
この先、何年、何十年と時を経ても、このアルバムがマディやウルフ、サニー・ボーイやリトル・ウォルターといったスペシャルな人達の歴史的名盤群と肩を並べて称される様な時代はきっと来ないと思います。多分。
でも名盤と称されなくても、私はこのアルバムが大好きです。
タイトル一つで勝負はついてるんだぜ
” 俺の名前はブギー “
これだ。
□□□ HARMONICA □□□
例えばもしも「世界リトル・ウォルター選手権大会」の「規定演技部門」みたいな競技があったとしたら(これは実際ありそう)金メダル候補者が数名ほど思い浮かびます。
その皆がハーモニカをテクニカルに操るのに長けた、ハイクラスな白人プレイヤー達です。
A級のハーモニカ吹き達が、巧みに描く華やかなフィギアから遠く、遠く離れた世界。
簡素が極まるバンドと、かすれた輪郭のハーモニカが、とてもBlues
続く