それ一筋、みたいな人に常に心惹かれる。それ一つのみに特化した。それしかやろうとしない。枝葉、花を捨て、根だけを深く拡げている人。逆に言えば多種多岐には突出しない人。
これは人物に限らず。万事何事も簡潔なものに惹かれる。
ハーモニカの主なポジション奏法、1st, 2nd, 3rd,とある内、私は2nd以外ほぼ興味がありません(3rdは例外あり)
普段自分が使うハーモニカも A, B♭, C, D,の4本があれば8割方ことが足ります。
1997年、東京でフランク・フロストのライヴを観ました。たくさんの出演者がいた中、楽しみにしていたお目当ては彼とタイコのサム・カーだけでしたが、ただひたすらに記憶も印象も薄いです。
その来日中にされたインタビュー記事では「使っているハーモニカとkeyは?」という質問に対し「Keyは “C” だけだ」と答えています。
潔し
HARMONICA // ARTHER WILLIAMS
世に誉れ高いこのアルバムですがフランク・フロストはほとんど吹いておらず、ハーモニカはアーサー・ウィリアムスが担当者です。フランク・フロスト同様、ガイドブック等ではサザン・ブルースにカテゴライズされているように、その血肉は主にジミー・リードとサニー・ボーイⅡで出来ていて特にジミーのナンバーの録音がいくつもあります。
ジミーといえば1stのハーモニカが代名詞です。ジミーが1stでやったナンバーならば、ほとんどのハーモニカ吹きは1stでやろうとする。しかしアーサー・ウィリアムスはジミーのナンバーでも1stでは演らない。2ndで吹き通す。
手に入るリーダーアルバムは全て買ったが1stのジミーモノどころか全曲 2ndで吹き通す(未聴曲除く)
これも潔し
花は桜木、人は武士
ブルースはサザン・ブルース
続く